「今日もPCシャットダウンぎりぎりまで残業か。それから満員電車で帰って…晩飯はまたコンビニ弁当だな…」 「休日は、溜まりに溜まった泥だらけの作業着の洗濯と掃除だけで終わる…」
大手ゼネコンに入社し、見知らぬ都会で一人暮らし(あるいは寮生活)をしながら現場を駆け回っている若手技術者の皆さん。毎日の激務、本当にお疲れ様です。
体力勝負の現場仕事において、「食生活」と「休息」は君たちのキャリアを支える土台です。しかし、縁もゆかりもない土地での過酷な一人暮らしは、その土台を少しずつ、確実に削っていきます。
20年以上、地場ゼネコンの総務・人事として若手たちの生活と健康を守ってきた私から、今回は「お金」や「やりがい」以上に大切な、「いざという時のセーフティネット」についてお話しします。
限界ギリギリの一人暮らし。もし、病気や怪我をしたら?
若くて体力があるうちは、栄養ドリンクとコンビニ飯でも何とか乗り切れるかもしれません。しかし、現場監督の仕事は短距離走ではなく、果てしなく続くマラソンです。
もし、見知らぬ土地で一人暮らしをしている君が、現場で怪我をして入院したら? あるいは、高熱を出して数日間アパートから一歩も出られなくなったら?
遠く離れた実家の親がすぐに駆けつけることは難しく、君は一人で心細い夜を過ごすことになります。実は、この「孤独な体調不良」が決定的な引き金となり、心が折れて建設業界そのものを辞めてしまう若手は少なくないのです。
地場ゼネコンの若手を守る「家族という最強の命綱」
一方、地元に根を張る地場ゼネコンの若手たちはどうでしょうか。総務として実際に私が見てきた、2つのリアルなエピソードをご紹介します。
エピソード1:一人暮らしでコロナ感染。ドアノブにかけられた「母の愛」
ある若手監督の話です。彼は工業高校の建築科を新卒で入社し、最初の3年ほどは実家から通っていましたが、その後、会社の近くにアパートを借りて一人暮らしを始めました。
そんな矢先、彼が新型コロナウイルスに感染し、自宅療養を余儀なくされました。総務である私が、様子伺いとお見舞いの品を届けるため彼のアパートへ行き、玄関ドア越しに「大丈夫? ちゃんと食べてる? 着替えや洗濯はできてる?」と声をかけました。
すると彼は、少し鼻声ながらも明るい声でこう答えたのです。 「大丈夫です! 実家から家族が交代で(主に母親ですが)、食事の差し入れや洗濯物の対応をしてくれるんで、本当に助かってます。明日か明後日には復帰できます!」
一人暮らしをして自立しつつも、いざという時はすぐに親が車で駆けつけ、温かい食事をドアノブにかけてくれる。この「家族との近さ」が、彼の心と体の回復をどれほど早めたか計り知れません。
手厚いサポートを受けながら着実に成長した彼は、実務経験5年を超えた現在、立派な「主任技術者」として現場をリードすることも多くなってきました。「1級建築施工管理技士」の一次検定まで見事合格しており、今年は二次検定合格を目指して力強く頑張っています。
エピソード2:労災入院。「何やっとんじゃ!」という父の怒りと愛情
もう一つは、取引先である金属製建具工事業者さんのご子息が、専門校卒業後に当社に入社したケースです。
彼が4年目の頃だったでしょうか。つい張り切って小走りになってしまった現場で転倒し、運悪く鉄筋が刺さるという、入院を伴う労災事故を起こしてしまいました。 私が急いでお見舞いと状況確認のために病院へ駆けつけると、すでにご両親が到着していました。
お父様は私の顔を見るなり平謝りし、まだ痛みをこらえている息子に向かって、お医者様の前にもかかわらずこう怒鳴ったのです。 「お前! 監督ともあろうものが、こんなしょうもない怪我して現場に穴開けて、何やっとんじゃ!」
しょんぼりする彼を見て、私は心の中で確信しました。 「あえて厳しく叱ることで息子の不注意を戒めつつ、勤務先である会社に気を遣ってくれているんだ。なんて愛情深く、真心のあるお父さんだろう」と、胸が熱くなりました。
私は笑顔で「大丈夫ですよ! くれぐれもお大事に、お医者様の言うことを聞いてしっかり休んで治してくださいね」とお伝えしました。
怪我をしたことは不幸ですが、すぐに駆けつけて本気で叱り、心配してくれる家族がそばにいる。その安心感こそが最大の薬です。 ちなみに彼は今30歳前ですが、猛勉強の末に「1級建築施工管理技士」に見事合格。監理技術者法定講習も受講済みとなり、大規模建築の現場責任者としての実務を着実に学びながら、ますます張り切って現場を仕切っています。
まとめ:君のキャリアを支える「ピットクルー」は誰か?
F1レースのレーシングカーが、ピットインしてタイヤ交換や給油をしてくれる「ピットクルー」なしでは走り切れないように、現場監督という激務も、一人きりの孤独な戦いではいつかエンジンが焼き付きます。
毎日の温かいご飯。溜まった作業着を洗ってくれる(あるいは手伝ってくれる)家族。病気になった時、すぐに駆けつけてくれる両親。 地元で働くということは、君の人生というレースに「最強のピットクルー(家族)」を帯同させるということです。
もし君が今、見知らぬ街の狭いアパートでコンビニ弁当を食べながら、「俺、いつまでこんな生活を続けるんだろう…」とため息をついているなら。 君の帰りを待っている地元の「実家」と「優良な地場ゼネコン」という選択肢を、もう一度真剣に考えてみてください。
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